ラブホテルを建設するにあたって、まず土地を探すことが大切になります。
土地探しのポイントを講師の方にレクチャーしてもらいましょう。
※この塾は架空でありフィクションです。
ラブホテルの土地を探す前の心得
講師:土地葉大雪(とちばたいせつ)先生
土地葉 「え~、皆さん、本日は、ようこそ、お越しくださいました。ラブホテル経営塾、第1時間目を担当する私、土地葉と...あ、入れ歯落ちてしまいました。ちょっと待って下さい。拭います」
土地葉は入れ歯をハンケチで拭って、口に入れる。
土地葉 「失礼いたしました。最近、めっきり老け込んでしまいましたが、こう見えて私は、故郷の岐阜でラブホテルを営んでいました。それなりに、地元では有名なホテルで、ずいぶんとお金を稼がせてもらいました。息子二人を私立の大学にも出しました。ですから、私はよく息子たちに言うのです。『お前らの学費は、ラブホテルが稼いでくれたのだぞ』と。でも、息子は二人とも家業を引き継ぎたがりませんでした。今では何だかよく分からない横文字の肩書きを名乗って遠くで暮らしています。さて、そんな私、土地葉です。少々、興奮しております。こうして若い皆様が、ラブホテルの経営に感心を持ってくださっているのです。息子たちにも皆さんの顔を見せてあげたいです。この土地葉、命のある限り、私のノウハウを伝授しようと考えております。楽しみにしてください」
土地葉は頭を下げる。生徒から拍手が起こる。
土地葉 「さて、さっそく授業を始めましょう。あ、ごめんなさい。最前列の人、ちょっと後ろに下がっても良いですよ。ごめんなさいね。ちょっと長年の重労働がたたってか、腎臓を悪くしてしまいまして。ちょっとアンモニア臭がするかもしれません。臭いが気になる方は、申し訳ないですが、席をお下がり頂けますか」
皆、席を動かない。
「企業努力をしなくてもラブホテルは儲かる」と言う幻想を捨て去る
ホシノ 「大丈夫だよ。とにかく授業を始めてくれねえかな。こっちは早く聞きたいんでね」
土地葉 「これは失礼しました。そちらの方、お名前は」
ホシノ 「ホシノ」
土地葉 「ホシノさん、ホシノさんはどうしてラブホテルを経営したいのですか?」
ホシノ 「俺かい? 俺っちは、トラックの運転手しているんだけどさ、ちょっと一発逆転、何かないかなと思って、今ラブホの経営を考えているわけ」
土地葉 「ラブホテルは儲かると思いますか?」
ホシノ 「そう聞いて、ここに来たんだよ。広告にも書いてあったし。違うのかい?」
土地葉 「そうとも言えませんし、違うとも言えません」
ホシノ 「どう言うことだい?」
土地葉 「確かに、バブルの頃は、何もしないでも、利益が出ましたね。夢のような時代でした。儲かって、儲かって仕方がなかった時代です。でも、ホシノさん、運送業界も一緒だったでしょう?」
ホシノ 「俺っちはまだ、その頃、新米だったけどよ、確かにはぶりは良かったな。その時の先輩や会社の社長なんて、いくらでもお姉ちゃんのところ、連れて行ってくれたしね」
土地葉 「そうでしょう。それはラブホテルの世界も一緒です。ですがね、ホシノさん、そう言った時代も長くは続かなかったです。その頃の悪い習慣を持ったラブホテルの経営者たち、つまり、何の努力もしなかった経営者たちのホテルは、やはり経営が困難になりました」
ホシノ 「なるほどね」
土地葉 「ちょっと、黒板に書いておきましょう」
ラブホテルは企業努力が売り上げに直結。バスタオルを良くしただけでも、客の足は伸びる
土地葉 「ここにいる皆さんは、そんなに甘い考えで来ていらっしゃるとは思いませんが、とにかくラブホテルも甘くはないと、肝に銘じて下さい。その代わり、頑張った分が確実に報われる世界でもあります。私の経験でもね、バスタオルを一枚増やしたり、肌触りの良いバスタオルを用意したりするだけで、客足は変わるのです。私だけでなく、今日は色々な先生が来ておられます。その先生方から教わるノウハウを活かして、ラブホテル界で革命を起こして下さいね。これも書いておきましょう」