ラブホテルの3Cとは

ラブホテルを建設する上で、最も意識したいのは客ですが、それ以外にも目を向けないといけないものがあります。
3つのCについて解説します。


ラブホテルの立地は客と自社を意識する

塾生はメモを取る。土地葉は時計を見る。

土地葉 「なるほど。意外と時間が経っていますね。1人30分の授業ですから、あまり多くは語れません。ですが、今のところ、土地に関する基本は、お話できたと思います。そこで皆さん、最後に聞いていただきたい話があります。良いですか、ラブホテルの立地を探すときは、常に3つのCを意識してください」
ホシノ 「なんだい? 3つのCって」
土地葉 「はい。Customer、Competitor、Companyの頭文字をとった、3Cです。Customer、お客さんがきちんと来られる場所にあるか、きちんと考えて下さい。例えば土地が安いからと言って、富士の樹海にホテルを建てても、お客さんたちは来られません。例えばデリバリーへルスが来てくれないほど田舎に建てれば、お客のうち3分の1を失います。実際、私の友人は北海道の十勝平野にラブホテルを建てました。牧場経営を止めて、その跡地にラブホテルを建てたのですね。しかし、倒産しました。そもそも人が来るような場所じゃなかったのです。人の流れが無い場所に、ラブホテルを一件、ぽつんと建てても、人は入りませんよ。それほど甘い世界ではありません」


ラブホはむしろ、競合他社Competitorsが集まっている場所を探す

塾生はメモをする。

土地葉 「Competitorとは競合他社です。私たちラブホテルの経営者は、むしろ同業者の存在を喜んで下さい。競合他社が居ない場所を探すのではなくて、競合他社が出来るだけ集合している場所、相乗効果を発揮できるような場所を、探すのです。そのエリアで一番人気のあるホテルを探して下さい。まずはそのホテルのおこぼれをもらうべく、地域2番店を目指して下さい。2番になれば、必ず生き残れます。」


借金をいたずらに膨らませない。その後の経営(Company)が、必ず苦しくなる

土地葉 「最後はCompany、自分たちの問題です。良い土地があったからと言って、予算をはるかにオーバーする金額で買えば、その後の経営で苦しみます。初期投資は出来るだけ抑えて下さい。焦りは禁物です。良くて安い土地が見つかるまでは皆さん、従業員として働いていれば良いのです」

チャイムが鳴る。

土地葉 「ああ、終わってしまいました。皆さん、私、土地葉、もう見たとおりの老いぼれです。もう引退して、時間をもてあましているので、ラブホテルの経営に関する質問があれば、いつでも連絡下さいね」

皆が拍手をする。

土地葉 「皆さん、今日はこのような機会が持ててよかったです。この先も、良い先生が来ています。ためになるので、しっかり学んでいってくださいね」

土地葉はお辞儀をする。皆が拍手する。

ホシノ 「じっちゃん、また連絡するわ」

土地葉は笑って退場する。